ペアローン離婚の状況

  • 年齢:夫(30代)×妻(40代)
  • 家族:子供はいなかった
  • 住宅:マンション
  • ローン残高:2000万~3000万円
  • 結論:夫側が住み続けた

サラリーマンの私(夫)が住み続けた理由は、マンションの所有権の持ち分比率が、私が80%で元妻が20%だったためです。マンションの時価評価を離婚時点で行ったうえで、妻の所有権を私が買い取りました。そして、私が妻に支払ったお金で、妻が妻の分の住宅ローンについて一括返済しました。ちなみに、新築での購入価格は約4000万円で、離婚時の時価評価は3800万円でした。
このため、離婚したときには、マンションの所有権は100%私のものとなり、住宅ローンは私が借りている分だけとなったのです。所有権の問題をきれいに解決できたので私は幸運でした。子供はいませんでしたので、いずれ再婚するときには、このマンションに住むことが可能ですし、再婚相手がこのマンションで生活することを嫌がるようであれば、賃貸に出せば良いと考えています。

夫婦共同名義の住宅ローンを残して離婚する場合のアドバイス

私の場合は、もともと私の持ち分比率が80%でしたし、時価評価が住宅ローン残高よりも高かったこともあり、元妻は20%の持ち分を私に譲渡することで合意してくれました。しかし、購入金額の90%を住宅ローンを組んで購入し、なおかつ共働きで持ち分比率が50%ずつとした場合は、離婚時の財産分与の協議は難航することが予想されます。しかも、不動産価格が新築購入時よりも離婚時の時価評価が30%や40%も下落している場合は、損失の押し付け合いのような形にもなりかねません。
夫婦共同名義で住宅ローンを抱えた状態で離婚しようとされている方へは、まず時価評価を調べることをお勧めしたいと思います。そのうえで、住宅ローン残高よりも不動産時価評価の方が上回るようならば、離婚協議はうまくいくと思います。問題は、住宅ローン残高の方が不動産時価評価よりも多い場合です。この場合は、弁護士を立てて時間をかけて離婚協議をする必要もあると思います。冷静になって頭を冷やすことが重要です。