日本では、結婚したカップルのうちの3分の1は離婚をすると言われています。離婚は決して珍しいことではありません。

しかし、どんなに離婚夫婦が増えたとしても、離婚に至る原因は様々です。二人がゆっくり話し合いの場を設けて、納得した後に別れる場合もありますが、多くの場合は浮気などの何かしらの事件が引き金を引き、どちらかが離婚を切り出し、話し合いの機会さえ持てなかったり、トラブルの中で結論を急がされる場合もあるでしょう。

ただし、離婚については焦ってはいけません。「離婚しよう」と心の中で決まっていても、別居などの物理的な別れをするより前に、財産分与について準備をしておくべきでしょう。愛が冷めてしまった二人は、会話をするのもおっくうになるのが普通です。相手の存在が近くにあるうちならまだしも、別居などをしてしまえば、話をする機会はなかなか作れません。特に離婚夫婦にとって大きな資産の1つである不動産は、きちんと話し合いをしておかないと、後々のトラブルになる場合があります。

財産分与時の「ペアローン」の落とし穴

最近は女性の社会進出が顕著で、共働きを選択する夫婦が多くなっています。そのためなるべく多く住宅ローンを借り、安定的にムリなく返していくために、夫と妻の両方が住宅ローンを借りる「ペアローン」も一般的です。

とても便利な「ペアローン」ですが、万が一離婚することになったら、若干面倒なのは予想に難くありません。どちらか一方に名義を移してしまえばよいとお思いでしょうが、この方法は案外手間と時間がかかり、今すぐに相手と別れてさっぱりしたい離婚夫婦には人気がありません。やはり多いのは、すぐに不動産売却の道を選択することです。

通常財産分与は2年以内に完了する必要があると言われています(双方の同意のもとならそれ以上かかってもOK)から、急ぐ気持ちもわかります。

しかし、悪徳不動産売却業者にとって、正常な判断が出来なくなっている離婚したばかりの男女は、恰好のカモです。夫婦の話し合いよりも、手続きよりも、引っ越しよりも、何よりも不動産業者の選定には時間を使ってください。

一番重要なのは、信頼できるかどうか

通常、離婚をする場合は、相手の落ち度を責めたり、過去を蒸し返してあらさがしをしたりと、マイナスな感情からムダな時間を過ごしてしまいがちです。でも、慰謝料をもらわなくてはいけないような事件があった場合を除いて、過去についていくら話しても一銭の足しにもなりません。

そんなことよりもこれから先の未来に向けた準備をはじめましょう。財産分与については、離婚前から夫婦で話し合いの場を設けるのがベストです。特に夫婦の財産としてとても大きいのが不動産です。不動産を売るという選択をしたならば、離婚前に複数の不動産会社とコミュニケーションをとり、信頼できる会社を見つける準備を始めるべきです。

不動産業者の中には、私たちオーナーを欺いて、正当な取引よりも多くのマージンを得ようとしている悪徳業者もいますし、親身になって売ろうとしてくれない人もいます。そういう人を見分けるのは、やはり初対面では難しく、たくさんの不動産業者に会って、実際に話をしてみないとわからないのです。