ここまでにいろいろな悪徳不動産業者の例を挙げてみましたが、私たちが、悪徳不動産業者にだまされないためには具体的にどうしたらよいのでしょうか?巧妙な手口で私たちに近づいてくる悪徳不動産業者ですが、最低限チェックしておくべきポイントがあります。悪徳不動産業者と一言に言っても、彼らは法律違反をしているわけではありません。そのため、彼らの悪事を警察に訴えても何もしてくれません。私たち売主1人1人が、不動産業者の行いをしっかりチェックして、騙されないように注意するほかないのです。

チェック1:いくつかの不動産会社を比較しよう

これは基本中の基本ですが、1社だけに見積もりを取って、査定額を鵜呑みにするのはキケンです。複数の不動産業者に相談しないと私たち売主は比較をすることができません。比較ができないと、その査定額が正当な額かどうかわからないのです。

見積もりを取ってみるとわかりますが、どの会社も似たような金額を出してきますし、そもそも査定額が高いところがよい業者というわけではありません。見積もられた査定額どおりに本当に高く売れるかは、定かではありません。あくまでその不動産会社が出した予想金額であり、その金額で買ってくれる人が実際に見つかる保証はないのです。

査定額を見積もる段階で私たちが注意しなければならないのは、実はその金額ではありません。各不動産業者の対応が誠実であるかどうか、質問にきちんと答えてくれるか、態度は悪くないかなど、メールや電話のやり取りで確認してみましょう。

チェック2:不動産買い取りと売却の双方を生業にしている業者は注意!

また、念のため注意したいのが、不動産の買い取りと売却の両方を手掛けている業者です。自分の会社のつながりのみで売主と買主を見つけて両手取引をしようとする業者は少なくありません。もちろん早く見つけてくれるメリットはありますし、信頼できる会社もあります。でも、あまりにも早く購入希望者を見つけてきた場合は要注意!いろいろな理由をつけて、かなり低い価格で売却することを提示されることがあります。この時点で複数の業者とのやり取りをしていれば、価格が低すぎることに気がつけるでしょうが、あまりちゃんと調べていない、比較していない場合は悪徳業者の手口に引っかかってしまうことがあります。

チェック3:お客さんのふりをして広告方法をチェックしよう

悪徳業者かどうか確認するための1つの方法として、不動産の売主という立場ではなく、買主の立場のふりをして、不動産業者とやり取りをしてみるという方法があります。どんな広告を出しているのか、どんなやり取りをしているのかがわかると、信頼してもいい業者なのかがわかりやすいと思います。

場合によっては、売主は売りたがっているにも関わらず、全く広告が表に出ていない場合があります。その場合は、内部で両手取引をしようとしている可能性が高いと言えます。

チェック1~3はあくまで基本です。悪徳不動産業者はいろんな新しい手で仕掛けてくるため、私たち素人には見破れないことも多々あります。万が一、契約を結んだ不動産業者が悪い人だった場合、絶対に注意しておくべきポイントがあります。

契約内容の契約期間をきちんとチェックし3か月以上の場合は結ばない

どんなに警戒して、悪徳業者かどうかチェックしても、見分けることができない場合があります。不動産業者もプロなので、いろいろな方法で自分にとって有利な契約を結ぼうとするでしょう。そこで、最終的に気を付けたほうがよいこととしては、契約を締結する際の、「契約期間」です。契約書内の「契約期間」は必ずチェックし、3か月以上の場合は結ばないようにしましょう。

この期間による縛りがあれば、少し悪徳不動産業者であるかもしれないと疑った場合に、3か月ですぐに契約の解除をし、別の業者に依頼することが可能です。この期間が長すぎると、ずっと信頼できないまま不動産という大きな資産を預けなくてはならなくなります。

契約内容ももちろんですが、「契約期間」だけは絶対に気を付けてください。