不動産の価値を査定した場合、その査定額で売れると信じていませんか？「査定額」は果たして、本当に適正価格でしょうか？査定額は、あくまで各不動産業者が予想する売却価格です。実際に買主が見つかっているわけではありません。ということは…あまり信じすぎてはだめなのです。ここではその理由をじっくり見ていきましょう。

不動産業者の営業マンの気持ちを考える

不動産を売却しようと思ったら、複数の不動産会社に相談して、査定してもらうのがセオリーです。1社だけだと、比較できません。あなたは、複数の会社に査定をお願いし、一番高く査定額を出してくれた不動産会社と契約を結ぼうとするでしょう。

しかし、ちょっと待ってください。不動産会社の営業マンは、しょせん営業マンです。彼らの目的は、仲介契約を結ぶこと！ただ一つです。そのため、最初は「人気物件をお持ちですね～」とか、「とても人気なんですよ、このエリア」とか、「●●万円(高値)で売れそうですね」とか、私たち売主側にとって良いことを言って、高値が付きそうだと匂わせます。

でも、実際には査定価格のままの値段では売れず、振り返ってみると、他の業者の見積額のほうが高かった！ということもよくあるようです。

査定根拠はなるべく見える化してもらう

不動産業者に査定額を出してもらうと、金額だけ、ぽんと出てくることが多いのですが、中には可能な範囲で根拠を示してくれようとする不動産業者がいます。例えば、これまでにその業者が手掛けた同マンションの査定額を例に出すなどはわかりやすい参考例です。

なるべく説明責任をきちっと示してくれる営業マン、信頼できる情報を共有してくれる営業マンと契約しましょう。

一部ではありますが、不動産仲介業者の中には、あまり不動産について詳しくないとわかると、売却したい旨の内容を市場には出さず、ごまかせるまでは自分の手で売ろうとします。あまり報告がなく、動いているかわからなくなったら、ちゃんと営業マンの動きをチェックする機会を設けたほうがよさそうです。

査定額をあげる努力は必要なし？

不動産業者からもらった査定額が、自分が思ったよりも少なかった場合、リフォームをして査定額をあげようとする方がいます。でも、私はリフォームはお勧めしません。仮に500万円分のリフォームをしたとしても、500万円アップの査定額が出るとは限らないからです。

不動産業者は、たくさんのリフォーム業者と提携を結んでいて、もしリフォームが必要な場合は彼らにおまかせしたほうが安くできますし、市場で人気のリフォームの方向性も彼らは熟知しています。私たち一般の売主が勝手にリフォームしてしまうと市場で人気が出やすい物件に出来ない可能性がありますし、下手をすると売りにくい物件を作ってしまう可能性があります。リフォームは自分のセンスに自信があったとしても、一人でやらないほうが良いと思います。