不動産はしょっちゅう買ったり、売ったりする商品ではないので、なかなか一般の方には知られていませんが、不動産を買う方法は大きくわけて2つあります。「仲介」と「買い取り」です。

この方法は大した違いがないように見え、見るからに条件が悪くない限りは、売主は「どちらでもいいや」と思ってしまいがちなようです。でも、この2つの方法には、実は明確な違いがあります。ここではその違いを見ていきたいと思います。

不動産売買方法①「仲介」とはなにか?

「仲介」とは、不動産業者が購入者を探す方法です。別ページでご説明している、「一般媒介」や「専任媒介」もすべて「仲介」の一種です。

不動産の売主である私たちは、一般的に不動産を買いたい人との人脈がありません。そんな私たちの代わりに不動産業者が独自の流通のネットワークや広告を駆使して、買主を探してくれるシステムです。この方法では、私たち売主は、不動産業者に仲介手数料を支払うことになります。

離婚が原因で不動産を売りたい場合は、値段ももちろん重要ではありますが、なるべく早く売りたいという気持ちが強いと思われますが、不動産屋さんが誰に売るかを考えながら、実際に営業をしないといけないので、多少の時間はかかります。目安としては数か月単位だと思われます。

不動産売買方法②「買い取り」とはなにか?

「仲介」と比べて、時間的な展開が早いのが「買い取り」です。

「買い取り」とは、不動産業者自身が私たちの不動産を買ってくれる制度です。「仲介」は、不動産業者が買主を探さなくてはならないので、当然時間がかかります。「買い取り」はそういう意味で、時間の短縮が可能です。目安としては、1ヶ月以内に売却できる可能性もすくなくありません。

「買い取り」の場合、不動産業者は「仲介手数料」をもらうことができないので、どうしても少し低めの金額で「買い取り」、その分を利益として受け取る必要があります。一般的には、不動産業者が買い取った後、独自に買主を探すことになりますが、もちろん見つからない場合もありますので、大きなリスクを抱えることになりかねません。そういう意味でも、ある程度低めの金額で「買い取り」できなければ、つらいのです。

「仲介」ではなく「買い取り」を薦めてくるのは、悪徳業者?

正当な額であれば、手数料替わりとして多少利益があるのは当たり前だと思います。悪徳業者ではなく、普通の不動産業者でも、一般的に「仲介」よりは、値段設定が低めになります。

しかし、中には売主に不動産相場に関する知識がないことにつけこみ、かなり低い買い取り額を出してくることがあります。特に離婚などで早く不動産を処分して財産分与をしたい場合は、どうしても焦ってしまいがちです。その場合、1ヶ月以内に売れるという確証が得られているのはとても大きなメリットとなり、「買い取り」に応じてしまうことがあります。

もし、「買い取り」をお願いする場合でも、きちんと複数の会社に見積もりを取るなどして、相場価格を知っておき、時間と値段を天稟にかける必要があります。ただ…離婚の場合は、多少安くなってもいいから、とにかく早く現金化したいという希望が強い可能性がありますし、あまり売却していることをご近所に知られたくないとか、一般の人に内覧させたくない方は、無理に「仲介」で契約するよりも、「買い取り」のほうがよいという考え方もあります。